校長室だより テキストバージョン vol.31~40

7月2日〈31号〉

 意外にも穏やかな天気です。ひょっとしたら月曜日は休校?そんなことを考えた子どもも多かったのではないでしょうか。台風はずいぶんゆっくりした速度で九州に向かっています。今日の午後には明日の対応が明らかになるかと思います。その際は別に文書が出されます。
○先週木曜日、研究授業を行いました。
 皆様にも覚えがあられるかも知れません。ある日のある授業、なぜか大勢の先生方が教室に集まってきて自分たちを見ている、そんな記憶です。実は私にもあります。もう50年近く前になりますが、鹿町小学校の5年生だった頃、理科の授業にたくさんの先生がお見えになったことを覚えています。ずいぶん昔からこの研究授業というものがあったことが分かります。
 学校の先生は子どもに勉強を教えるのが仕事です(それだけではありませんが)。小学校の内容ですから大人なら誰でもできそうに思われますか?多分、それは簡単なことではないと思います。自分が分かっているということと、人に教えるということはずいぶん違います。どうやったらいい教え方ができるのか、私、今でも考え続けています。学校の先生はみんなそうです。より分かる教え方を求めて日々、研究に励んでいるのです。
 学校の先生は研究と修養に励むこと、それは法律に規定されていることでもあります。子どもに分かる授業を行うための技術や知識を身につけること、それは私たちの義務です。さらに、刻々と変わっていく社会や子どもたちに即した指導法を身につけていく必要もあります。そのため、どの学校にも校内研究の組織があり、研究テーマがあり、職員みんなで計画的に研修を行うのです。目的は我々自身の資質の向上です。
 先週木曜日の5校時、6年生が授業を公開しました。その時間、他の全学級は自習となります。子どもたちには迷惑をかけますが、この授業をもとに、私たちは研究を深めます。それはきっと子どもたちのためになることです。授業を公開するにあたり、担当学年の担任は綿密に準備を進めます。自分たちの主張が生かされた授業の展開を工夫します。何度も話し合って指導案を作りますから、この期間、学校では遅くまで検討会が続くのです。
 私たちはプロですからそれなりの技術はもっています。大切なのは、学校の全職員が、同じものを目指すこと、さらに、研究によって得られたこれが最良だという教え方を全員が同じように身につけ、実践するということです。本校では算数の指導法を研究しています。もう何年も続いています。そしてその効果は子どもたちの学力として確実に現れていますから、私たちはさらに自信をもって研究と授業に打ち込むことができています。今回はちょっと堅い話でしたが、学校の研究授業について書きました。
○お子さんのお迎えの自家用車について
 雨の日の午後など、児童を迎えに来られる保護者のみなさんの車が校門前に並びますが、校内に入らないなど、みなさんルールを守って下さいます。ひとつだけ心配しておりますのは、学校近隣の商業施設等の駐車場に車を止め、お子さんを待つ方がおられないかということです。各施設の方々に御迷惑をおかけすることのないよう、皆様の良識ある判断に期待しております。

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7月9日〈32号〉

 今日は朝から陽が差しています。しかしながら今回の豪雨により、中国・四国地方をはじめとして多くの地域で大変な状況となっています。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。保護者の皆様の御自宅等に被害はございませんでしたか。幸い、学校は大丈夫です。
 しかし自然災害の恐ろしさを、また、まざまざと見せつけられました。私、大学の4年生の頃、長崎に住んでおりましたが、そこで大水害がありました。あふれる水に対して何もすることができず、ただ、恐ろしかったという記憶があります。
 先週金曜日は急な日課の変更で皆様には多大な御迷惑をおかけしました。当日は朝から教育委員会、佐々小・中学校と連携し、豪雨への対応について協議しておりました。早めの集団下校という選択肢も出されていましたが、その後の天候を注視しながら決定しようと考えておりました。
 昼過ぎの段階で相浦地区の学校が児童を早めに帰すという情報が入りました。相浦川が危険な状況になったとのことでした。その時点で私たちも児童の安全を第一に考え、低学年だけを5校時終了後に帰すのではなく、6校時までの予定だった4年生以上の授業を打ち切り、全児童を一緒に集団下校を行い、その地区の担当職員が引率して帰すという手段を選択しました。これは教育委員会と話し合い、佐々小学校とも合わせてのことでした。
 突然の集団下校です。540名の児童を班ごとに集めることがまず大変です。しかもいつもとは違う場所に帰ったり、お迎えがあったり、学童に行ったり行かなかったりとそれぞれの状況に丁寧に対応しなければなりません。本校の職員が的確に対応し、なんとか予定の時間までに下校させることができました。子どもたちも職員の指示通りに動くことができていました。  迎えの車が押し寄せるであろうことは予測できました。私も校門前におりましたが、ありがたいことに、みなさんは私たちの誘導に快く従って下さいました。特に国道から校門に入る信号機付近で渋滞が発生しましたが、みなさんいつまでもそこにとどまらず、うまく別の場所に回って下さったりしました。多少の混乱はありましたがなんとか収まりました。  もちろん、うまく連絡が取れなかったり、伝わらなかったりして保護者の皆様に御迷惑をおかけしたところもあったはずです。こちらの不手際もあったかと思います。それでも御理解と御協力をいただきまして誠にありがとうございました。何より、子どもたちが事故なく下校できたこと、大変うれしく思っています。
 このような事態が起こることは今後もあり得ます。さらに迅速・的確に対応し、子どもたちを安全に下校させることができるよう、私たちは今回の件を振り返り、課題があれば検討し、改善していこうと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。
○防犯・安全について
  先日、町内の校長会の折に教育委員会より話がありました。以下の内容です。
 ・学校は夏休み中に通学路を再点検します。池、堤、海、川、線路、交通量の多い道路など重点的に調べます。気になる場所などありましたらお知らせ下さい。
 ・子ども110番の家を確認します。子どもさんの通学路の子ども110番の家につきまして、家庭でも御確認下さい。
 ・学校には危険なブロック塀はありませんでした。通学路にはありませんか。気になる箇所がございましたら御連絡下さい。
 ・防犯ブザーは1年生の時に配付されておりますが、2年生以上になっても使っていいのです。

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7月12日〈33号〉

 暑い日が続きます。急に気候が変わりましたが皆様、体調の方はいかがですか。
 昨日より水泳の授業参観が始まっています。私もできるだけ時間を作ってプールに出かけるようにしています。しかしプールサイドの暑いこと、頭がくらくらしてきます。水の中の子どもたちがうらやましくて仕方がありません。それでも本当にたくさんの保護者の皆様においでいただいております。ありがたいことです。今日は4年生より上の学年の水泳参観です。
 先ほど5年生の水泳の授業を見てきましたがさすがによく泳ぎます。スイミングスクールに通っている子どももいますし、個人差は大きいのですが、今日の自分の目標に向かって一生懸命泳いでいます。25m泳げなかった子どもに泳ぎ方の基本を教え、一生懸命励まして初めてプールの向こう側にたどり着かせたとき、子どもは心から喜びます。自分だけの力でここまで来たのですから。でも私たちはもっとうれしいのです。子どもたちのできたという笑顔は私たちの元気の素、それがあるから毎日がんばっていけるのです。そんな場面が学校のプールにはいくつもあります。私もプールに入りたくて仕方なくなりました(思っただけです)。
○昨日、「佐々町非行防止対策会議」が開催されました。
  午後7時より、地域交流センターにおいてこの会議が行われました。参加者のリストを見て、佐々はすごいなぁとあらためて思いました。警察、教育委員会、学校はもちろん、健全育成会、老人クラブ、婦人会、商工会、民生委員、交通安全母の会、防犯リーダーの方々、他にもたくさんの団体の皆様の名前があります。このような集まりは他ではまず見られません。こんなにたくさんの人たちが佐々の子どもたちを見守って下さるのです。ありがたいことです。
 会議名は非行防止、となっていますが、子どもたちをいかに正しく、健康的に、安全に過ごさせるか、そこに重点が置かれています。
 まず、町内の4校(清峰高、佐々中、佐々小、口石小)の担当者が、夏休み中の生活指導について資料をもとに発表します。先日の口石っ子ミーティングとほぼ同じ内容です。それに対して参加者からの質問があります。たとえば、児童の帰る時刻に町内の放送を使って見守りを呼びかけることはできないのか、さらに、夏休み中、子どもだけで1日を過ごす家庭はどのくらいあるのか、どういう指導をするのか、そのような質問や意見が出されました。
 そして教育委員会からは「ながら見守り」のお願いが出されました。子どもにとって一番危険な時間帯は午後3時から5時の下校途中の時間です。学校を出るときは集団であっても、家の近くになるとどうしても一人になってしまうという子どもがいます。そこで町のみなさんに、何かをしながらでいいので、子どもたちを見て下さいませんか、というお願いです。散歩しながら、畑仕事をしながら、で結構ですから子どもを見て下さい、ということなのです。私からもお願いしたいと思いました。子どもを見る目が多いほど安心感も増します。絶対ではありませんが。
 健全育成会長さんは保護者のみなさんへのお願いとして、スマートフォンについて話されました。SNSの普及とともに、子どもが被害者となる事件が増加しています。子どもにスマートフォン等をもたせる場合、親の責務として、以下のことが法令で定められているのだそうです。
①18歳未満が使用者であることを販売店に申し出る。②そこでフィルタリングの説明を受ける。③フィルタリングを設定してもらう。
 現実として、学校の外ではかなりの数の児童が使っているようです。スマホさえ持たせていなければ…、そんな思いをされることのないようにしっかりと御指導ください。

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7月18日〈34号〉

 暑い日が続きます。危険な暑さです。昨日は愛知県の小学1年生が熱射病で亡くなるという痛ましい事故が起きています。本日朝、各担任には以下のことを伝えました。
 1 児童を直射日光にさらすような学習活動は避ける。どうしても必要がある場合は、15分程度で休憩をとること。
 2 室内であっても熱中症は発生する。十分な水分補給と健康観察を。
 3 昼休み等、外で遊ぶ児童について。
   ・水筒を持って行き水分を補給すること。 ・日陰で休む時間を作ること。
   ・帽子をかぶること。 ・体調のすぐれない児童は外に出さないこと。
 学校はあと3日で1学期を終え、夏休みに入ります。この暑さがまだ続くようであれば、御家庭でも熱中症に気をつけるよう、あらためて御指導ください。社会体育等で炎天下に活動する子どもたちも多いかと思います。室内が高温になる体育館等でも同様ですが、細心の注意が必要です。今の暑さは昔のそれとは次元が違うような気がしています。
○三角形の花壇です。
 運動会の前におやじの会のみなさんと草を刈り、木を切り、枝を払いましたところ、こんな三角形の花壇が出てきたのです。このようなものがあること、誰も知りませんでした。築山の完成記念碑があったのですが、そこには昭和31年、校長友田と書いてあります。私が生まれるより前の話です。びっくりです。
 この場所、いい感じです。子どもたちや近所の方が、ちょっと立ち寄れるような憩いの場所にできればいいなと考えています。
○駐車場の工事が始まりました。夏休み中に終わります。
 
場所は写真からおわかりでしょうか。南運動場のさらに裏側になります。教育委員会の御配慮で、ここを駐車場として整備していただきます。ただし、アスファルト舗装ではなく、砂利を敷き詰めるやり方なのだそうです。けっこうな広さがありますので何かの折には活用できるはずです。ただ、入り口を常に開けていて誰でもいつでも駐車できます、ということにはならないと思います。また、職員駐車場とするわけでもありません。今後、教育委員会とも協議しながらその活用法をお示ししたいと考えています。

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7月20日〈35号〉

 早かったなぁ、私はそんな感じがしています。1学期が終わりました。最後は暑い日が続き、子どもたちもちょっとバテ気味かと思っていましたが、今日の終業式にはみんな元気に参加することができました。だって明日から夏休みですから。
 終業式での私の講話の内容ですが、おもな柱は2つです。ひとつは、夏休みにしかできないようなことにチャレンジしよう、ということ。もうひとつは時間を作って、たくさんの本を読みましょう、ということです。その中で子どもたちにクイズを出しました。 私がかつて持っていた本の題名を当てるというものです。以下がその問題のヒントです。
校長先生からの問題のヒント
 ヒント1 ちょっと分厚い本で、表紙が赤い布で覆われていて、蛇の模様があります。
 ヒント2 中の文字は赤と緑色で印刷されているという変わった本です。
 ヒント3 主人公はあるいじめられっ子です。                    ※分かった人は校長先生にこっそり教えて下さい。
○通学路の防犯上の危険箇所のリストアップについて
  昨日、文部科学省からの通達と町教委により、緊急に通学路点検を行えという指示がありました。これは新潟の女児殺人事件を受けてのものです。また、このことについては、保護者からの情報を得て、学校と保護者が共同で危険箇所のリストを作成するようにとされています。
 ですから通学路付近において、不審者が潜みやすい場所、昼間でも薄暗い道、引きずり込まれそうな空屋など心当たりがあられましたら、本日配布いたしましたアンケートに御記入の上、8月9日の登校日にお子さんを通して担任に御提出ください。何もなければその必要はありません。
 なお、アンケート回収後、通達通りに作業を進めるため、申し訳ありませんが、各地区の生活指導部の皆様にお願いいたしまして、本校職員と一緒に地区ごとのアンケートを集約し、危険箇所をリストアップするという作業を行いたいと考えております。御多用の中、部員の方には大変御迷惑をおかけしますがどうぞ、児童の安全を守るため、御協力のほど、よろしくお願いいたします。その日時など、部員の方への詳しい案内は後日差し上げます。
○夏休み中の先生は何をしているのでしょうか。
 さて、夏休み中の学校ですが、休みなのは子どもだけなのであって、私たち職員は出勤しています。1学期の反省や2学期の準備をじっくりと行います。子どもがいるときにはなかなか手をつけられずにいた仕事などけっこう多いのです。学校の修理や備品の整理なども行います。研究をグンと進めるのもこの時期です。研究授業につきましては先日御紹介しましたが、子どもがいない休み中は理論的な研究を行います。それを2学期以降、実践に移していくというわけです。
 また、学校の先生はこの期間中、いろんな研修に出かけます。今年はまもなく変わる学習指導要領について勉強する機会が多くなっています。さらにこの時期には教育研究会など、いろいろな会議が催されます。
 休みについて言いますと、私たちには公務員に与えられる夏期休暇というものが5日あります。一概には言えませんが、おもにお盆の学校閉庁の期間に使うことが多くなっています。
 休業中であっても学校には必ず職員がいます。事故などございましたらすぐに御連絡下さい。学校の電話番号は 623515(さんごじゅうご、と覚えます)。
 なお、週休日や学校閉庁期間中、夜間は               へお願いします。

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8月9日〈36号〉

 高校野球が開幕しています。第100回の記念大会だそうです。私が最後に出場した夏の予選は第60回記念大会でしたからあの夏から40年が過ぎたことになります。ずいぶん歳とったなぁ、なんて思ってしまいます。
 今日は登校日でした。夏休みが半分過ぎたわけです。ここまで子どもたちが事件や事故に巻き込まれたという連絡は受けておりません。どうかこのまま、すべての子どもたちにとって楽しい夏休みが続いて欲しいと願っています。
 さて、8月9日は長崎県に住む者には大切な日です。本校におきましても残暑厳しい中でした が体育館において平和集会を開催しました。私はその場で以下のような話をしました。
 さて、今日は8月9日、県民祈りの日です。73年前、長崎市に原子爆弾という恐ろしいものが落とされ、たくさんの人々の命が奪われた日です。この日はもうずいぶん昔から、みなさんのお父さんやお母さんが子どもだった頃から、いいえ、それよりもっと昔、校長先生が子どもの頃から登校日とされ、学校に来て、原子爆弾や戦争、平和について学習する日でした。
 平和について学習して欲しいことを2つ言います。ひとつは、原子爆弾のような核兵器といわれるものがいかに恐ろしいものか知ることです。今、世界には長崎や広島に落とされたものよりはるかに強力な核兵器が何千発もあるのです。もし核兵器を使えばどれほど恐ろしいことが起きるか、知っておく必要があります。長崎や広島の原爆は、その時、日本が戦争をしていたとは言え、直接戦いには関係のない、子どもやお年寄り、女性など、ただ、普通に生活している人々を一度に何万人も殺したのです。爆弾はそのあともずっと人々を苦しめ続けたのです。そんな恐ろしい兵器を絶対に使ってはなりません。作ってはいけません。そのことを日本の人々は世界にうったえ続けています。
 もうひとつはなぜ戦争が起きたか、知ることです。歴史を勉強すれば、なぜそのような不幸な出来事が起きたのか分かります。理由が分かれば、同じことを繰り返さないですみます。
 過去に起こったことは変えることはできませんが、過去のことを勉強して未来を変えることはできるのです。二度とこのような恐ろしいことが起きないようにするのはみなさんです。みなさんが大人になったとき、こうやって平和について勉強したことを思い出して、日本という国がもし、危ない方向に進みそうになったら、それはいけないと声に出してうったえるのです。今、平和について学習しているみなさんのこれからの大切な役割なのです。
 校長先生は小学校の5年生まで鹿町小学校にいました。長崎県内の小学校ですから原爆や平和のことについて、子どもの頃からいろいろと話を聞いていました。8月9日はもちろん学校に行きました。
 でも6年生になるとき、家の都合で佐賀県に引っ越しました。すると、8月9日になっても学校に行かないし、原爆のことを聞くことはありませんでした。ですからその学校の友達はみんな8月9日のことをよく知らないのです。びっくりしました。今では平和について他の県の子どもたちも勉強していますが、長崎県の子どもたちほどたくさんのことを知りません。みなさんが大きくなって長崎を出たとき、いろんなところで原爆の恐ろしさや平和の大切さについて話をして欲しいのです。それも平和を守る大切な活動のひとつとなります。将来、それができるように、この集会でも、しっかり学習して下さい。
 7月中旬から8月にかけて、ずいぶん暑い日が続きました。そのため、球技大会や自転車教室など、いくつもの行事が延期されました。こんなに暑い夏は初めて経験するように思います。まだまだ暑さは収まりそうもありません。どうぞ、熱中症には十分気をつけてお過ごし下さい。

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9月3日〈37号〉

 長い長い休みが終わりました。保護者の皆様、この期間中はずいぶん大変ではなかったかと拝察いたします。お疲れ様でした。今日から、また学校がお子様をお預かりします。
 本日、始業式をいたしましたが、校長あいさつの冒頭に申しましたのは、児童のみなさんが無事に元気に夏休みを乗り切ったこと、それが本当によかったということです。事件や事故の報告はありませんでした。それも毎日の生活について、しっかりと指導して下さった保護者の皆様方の努力によるものです。ほっとしています。ありがとうございました。
 8月29日には佐々町子ども議会が開催されました。私、はじめて傍聴させていただきましたが、これは素晴らしい。何もかも、本格的なのです。子ども相手なのですが町長さんはじめ、みなさん本気です。このことについてはいずれあらためてお知らせいたします。それでは本日の始業式において私が話したことを抜粋して載せておきます。
 さて、今日から2学期が始まります。そこで、校長先生がこれからみなさんにがんばって欲しいことを3つ言います。
 1つ目は、生活のリズムを取り戻そうということです。休みの間、多くの人は計画通りの一日を過ごしたことと思います。でも、中には、正しい生活のリズムを崩した人もいるのではないかと思います。今日からは授業が始まります。早く、学校での生活リズムを取り戻して、勉強や運動に励んでもらいたいと思っています。まだまだ暑い日は続きそうです。休み中、ずっと涼しい部屋にいた人は教室の温度に体を慣らしていきましょう。でも、調子が悪いときはすぐに先生に言いましょう。
 2つ目は、本を読もう、ということです。まだまだ暑い日が続きますが、そのうちに涼しくなって秋になります。秋は読書の季節です。読書感想画や感想文のコンクールもあります。本の中には、わくわくどきどきするような世界が広がっています。図書室の本をたくさん借りて読んで、みなさんの心を豊かにして下さい。もうすぐ、新しい本がたくさん入るそうですよ。
 3つ目、あいさつをがんばります。みなさんはよくあいさつをします。朝から校長先生にもおはようございます、と言ってくれます。とてもうれしく思います。みなさんのあいさつには人を元気にする力があるんです。校長先生も毎日、元気にしてもらっています。その力、もっと学校の外でも使いましょう。いろんな人たちがみなさんの安全を見守って下さっています。お世話になっています。そんな人たちに、お礼の気持ちも込めてあいさつと元気をさしあげましょう。きっと喜んで下さいます。
 2学期にはいろんな楽しい行事などもあります。特に6年生、修学旅行があります。みなさんはここまで、この口石小学校で、平和や歴史、地理、産業、それから仲間を大切にするということ、社会のルールを守るということなど、たくさん勉強してきました。その仕上げとなるのが修学旅行です。どうぞ、十分に準備して、いい思い出と学習の成果を持ち帰って下さい。
○熱中症対策について
 ピクは過ぎたようにも感じますが、まだまだ暑い日は続きます。報道によりますと全国では夏休みを延長したり、午後の日課を短縮したりして熱中症対策としている例が紹介されています。佐々町においてはどうなのでしょうか。町の教育委員会、3校の校長で話し合いましたが、特に日課の変更等の措置はとらないことを確認しました。ただし、尋常でない暑さに襲われたようなとき、学校独自の判断で何らかの対策をとることはあり得ます。また、日頃の教室での学習の際には、こまめな給水を促したり、時には冷房の効いた部屋を使用するなどの措置を講じます。御理解の程、よろしくお願いします。

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9月4日〈38号〉

 8月29日(水)10時より佐々町子ども議会が開催されました。町内のもの・ことに関心を持ち、もっと住みやすい佐々町を作るために、子どもの目線で考え、町長さんたちに意見や質問をしてみよう、という趣旨の会議です。佐々小、口石小、佐々中から計10名の子ども議員が議場に入りました。なんと議長席には中学生が座っています。
 とは言っても所詮は子どもの考えだろう、なんて言えません。内容が素晴らしいのです。また、子どもだから気付くことがあるのです。本校からも6年生の女子児童が3名、休み中ではありましたが参加しました。本校では事前にすべての6年生に町への意見や質問がないか尋ね、その内容から発表者を決定しました。内容をさらに吟味し、発表の練習をして2日前のリハーサルに参加し、当日の本番となりました。ここまでの準備は大変だったと思います。でも本校の3人を含め、10人の子どもたちは堂々と質問者席に立ち、質問や意見を述べることができました。
 私が素晴らしいと思ったのは、この子ども議会を計画・運営される方々の「本気度」です。本物の議会と同じように席には子どもの名前を書いた立て札がありました。町長さん、議長さん、議員さん、町の職員のみなさんが通常の議会と同じように参加されています。町長さんがおもに答弁に立たれましたが実にていねいな説明でした。10人分の答弁は相当な量になったはずですが、すべての質問に真摯にお答えになりました。まるで本物の議会ですから子どもたちも当初は緊張していました。しかし自分たちの質問に本気で応えて下さるみなさんの姿を見てとても満足していたようです。
 本校の○○さんは、学校から遠い地区の子どもの安全を守るためにスクールバスの運行を提案しました。この質問には教育長さんが答えて下さいました。予算との問題もありすぐには実現できないかも知れないが、町民による見守り活動をさらに充実させ子どもたちの安全を確保していきたいという内容でした。○○さんは町内の公園にはいろんな制限がある、ボールを使ってはいけない、とか年齢とか。もっと自由に遊べる公園が欲しいと訴えました。町長さんは多くの利用者の安全を守るために決まりがあるということ、ボールは小学校の運動場などで使って遊んで欲しい、とのことでした。○○さんは豪雨等で避難指示を伝える場合、無線による呼びかけだけでは聞こえないこともあるのではないか、他にどんな方法を考えておられるか、という質問をしました。町長さんがお答えになりました。メールの配信サービス、データサービス、HPへの掲載、Lアラートというものがあります。消防車での呼びかけもします。地域や職場での共助が大切になってきます、という回答でした。早めの避難、そして自分の命は自分で守る、そんな気持ちも大事だろうとおっしゃいました。
 今回の経験で子どもたちにとって町長さんや議長さん、議員さんや町の職員のみなさんが少し、身近に感じられるようになったのではないでしょうか。町のことに子どもたちが興味を持つのはいいことです。その意味でもこの子ども議会、素晴らしい取り組みだったと思います。

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9月5日〈39号〉

 2学期が始まって3日、子どもたちの生活のリズムもずいぶんもとに戻ってきたように思われます。3日の始業式の日にあいさつをがんばりましょう、という話をしましたがその甲斐があったのでしょうか、子どもたちの朝のあいさつがさらに元気になっています。
 申し遅れましたが、8月25日にはPTAふれあいクリーンを開催していただき、たくさんの皆様と子どもたちの手によって学校が見違えるようにきれいになりました。まだまだ暑い日でしたが、本当にたくさんの方々が汗を流しながら草を抜いたり、それを集めて捨てたりとがんばって下さいました。ありがとうございました。
 昨日、4年生の女の子が3人、校長室に来ました。「校長先生のクイズの答えがわかりました。」と言います。例の本の題名を当てるクイズです。かなりの難問でしたから、子どもたちが考えてくれるか、その中に正解者がいるか、ちょっと自信がなかったのですが、この子たちの解答、見事に正解でした。正解はミヒャエル・エンデ作「はてしない物語」でした。素敵なファンタジーです。多くの子どもたちに読んで欲しいなと思っています。
○8月31日、先生たちは不審者進入時の対応について学習しました。
 学校は子どもにとって安全な場所でなければなりません。子どもを傷つける恐れのあるような人物が学校に入ることをまずは防がねばなりません。そのための手立てとして、学校には何台もの防犯カメラがあり、私を含めて、職員はそのモニターの画面を常に、とはいきませんがよく見るようにしています。また、その映像は常に記録されています。
 しかしながらそれでも校舎内への侵入があった場合、どう対処するか。そのような緊急時の対応について学習しました。講師はもと警察官であり、現在はスクールサポーターとして学校の安全を見守って下さっている方です。
 今回は2階の教室に不審な人物が侵入した、という設定で訓練を行います。不審者進入の場合、火災時と大きく違うのはその人物がどこから侵入するかわからない、しかも動き回る、何を持っているかわからないなど想定すべき場面が無限にあるという点です。
 ですがまずは基本を学びます。不審な人物への対処、児童をどう避難させるか、他の職員への連絡体制はどうなっているか、など実際にやってみてそれぞれの職員の動きを確認します。不審な人物役の先生、対応する担任の先生、逃げる児童役の先生たち、みんな真剣です。さすまたやいすなどを使って不審な人物を子どもから引き離す練習もします。何より大切なのは子どもたちの安全を確保すること、それにつきます。
 まだまだ対応が不十分だという御意見もあるかと思います。今後も様々な事態に備えて我々はどのように動けば子どもたちの安全をより確かに守れるのか、考え続けたいと思っています。

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9月6日〈40号〉

 今日は朝から雲も多く、吹く風に少しずつ秋の気配を感じるようになりました。もう少しの辛抱でしょうか、まもなく実りの季節がやってきます。
 4月に6年生は全国学力・学習状況調査(全国テスト)を受けています。その結果は8月1日の新聞にも掲載されました。各学校の点数が公表されたわけではありません。全国と各県の平均正答率が公開されたのです。もちろん学校は自校の結果を詳しく知っています。ですが、それを数値として公表することはありません。少しぼやけますが言葉で表現します。私たちは、この結果を全国や県、去年の本校のそれと比較しながら分析し、今後の学習指導に役立てていきます。  科目は国語、算数、理科の3つ、国語と算数はさらにA、Bに分けられます。A問題は基礎的なもの、B問題は活用(応用問題。問題を読むだけで大変、かなり難しい。)となります。
 言葉での表現ではよく分からないとおっしゃるかと思いますが、そこは御容赦下さい。ただ、本校児童の学力(少なくともこのテストにおいて)は非常に高いということはおわかりだと思います。本校児童の正答率は県内でトップクラスに位置しますし、全国レベルをも超えています。  いい点数がとれたとただ喜んでいるわけにはいきません。口石小学校のどのような学習指導や活動がこのような結果に結びついたのか吟味し、強化・改善していくことが大切です。4月に行われた調査ですから昨年の学習活動について考えることになります。この年度、私は口石にはおりませんでしたから先生方の話を聞いたり、記録やデータを読んだりして判断しています。
 何といっても大きいのは日頃の授業への取り組みです。先生方が毎時間、一生懸命指導しています。それに応えて子どもたちも真剣に勉強しています。そこなのです、大切なのは。事前にちょっと試験対策をやったところで児童の学力が大きく向上するものではありません。毎日の、毎時間の積み重ねなのです。現在の6年生は日頃からよく努力したということなのです。校長室だより27号に佐々町の5年生の県学力調査結果を載せていましたが、5年生も同じように毎日がんばったからあの成績をおさめた、ということが言えるのです。
 もうひとつは授業以外の学習活動です。今年も職員室前にチャレンジ問題がたくさん用意されています。子どもたちは自分でプリントをとって行きます。さらに4・5年生は全国や県のテストの過去の問題をたくさんやっています。これらのテストは出題のしかたが通常の学校のテストとはずいぶん違います。ですから慣れておかないとせっかくの実力が発揮できません。
 私たちは今回の結果から、もっと詳細に本校児童の学力の特性を探っています。強みもあるし、弱点もあります。口石の子どもたち、まだまだ伸びしろがあります。

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