冷凍ワムシの発想
ワムシ培養に従事されている方なら誰でも経験するのが培養不調・・・。
本実習場でも孵化仔魚がいないときに限って絶好調になるワムシ達、時には2000匹/cc以上になることも!
しかし、その不安定さ故に犠牲になった稚魚の数は計りしれません。
そこで、稚魚のいないときに余ったワムシを冷凍することで長期保存し、いざ培養不調に陥った場合に、この冷凍ワムシを用いて飼育することを考えました。
そうして出来たのが、下の写真です。
冷凍ワムシ(樽水版)
冷凍保存6ヶ月後の解凍したワムシ
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形態的には、特に問題は見られず・・・。
よって、稚魚を用いた給餌実験をこれから実施していきます。
冷凍ワムシの作り方
作り方は、いたって簡単。
@ワムシが沈殿するのを待つ。
Aサイフォンで吸い取る。
B冷凍する。
以上
更に改良版として、ワムシを沈殿・凍結させる前に栄養強化剤やナンノクロロプシス、パブロバなどのn-3系高度不飽和脂肪酸生成プランクトンを消化管内へ取り込ませることで栄養価の高い餌を作ることも可能です。
これを用いてアユの稚魚を育成しておりますが、現在のところ何の問題もなく成長しております。
冷凍ワムシの与え方
与え方も、いたって簡単。
@必要分を100mlビーカーにいれ、海水で溶かす。
A適量をスポイトで吸い取り水槽へ入れる。
B残ったら冷蔵庫で保存し、その日のうちに使い切る。
以上
給餌効果について
水産試験場の報告によると、成長は、若干、活ワムシに比べ劣るようです。
確かに、活ワムシは残餌が底に沈殿しないため摂餌効率が高くなります。それに比べ、冷凍ワムシは一度沈むと摂餌の機会を失ってしまいます。このようなことから、活ワムシによる飼育の方が成長率において高い傾向にあるのかもしれません。