昔、越後の国(新潟県)の南のはずれに、妻有の里・芦ヶ崎という村がありました。
ある年、長い日照りが続き村人はヒエやアワどころか水一滴なく苦しい生活をしていました。
ある時、一人の青年が、天上山へ何か食べるものはないかとさがしに出かけました。
すると、昼寝をしている竜を見つけました。竜のそばに卵があったので、竜が眠っているすきに卵を盗み出しました。
そして、その大きな卵を村に持ち帰り、村人と相談した結果せめて年寄りと子どもだけでも食べさせることにしました。
卵を割り始めると、卵の中の竜の子が母親竜に助けを求めました。するとそこへ怒り狂った母親竜が現れ村人を食い殺そうとしました。
庄屋をはじめ村人は、「子どもだけは助けてほしい。」と竜に頼みました。
竜は必死の村人に心を打たれ、村人のために三日三晩雨を降らせ、池を作ってやりました。
村人たちは喜んで竜にお礼を言うと、竜は、「この池はおまえたちの美しい心の象徴だ。
しかし、人の心の曇るとき、この池はかれてしまうであろう。」と言い残して消えました。
村人は、この池を「竜ヶ窪」と名付けて大切にし、神社を建てて竜神様をおまつりしたということです。

